平成27年2月28日/川崎市福昌寺にて精進料理会レポート「料理僧三人衆食事会 ~食べる仏教 味わう命~」

葬祭流儀本誌にて「旬をいただく精進ごはん」を連載している飯沼康祐さんと、同じく“精進料理”を通じて仏教のこころを伝える活動を行っている青江覚峰さん、吉村昇洋さんによる料理僧ユニット【料理僧三人衆】のイベントが川崎市福昌寺にて開かれました。宗派も個性も異なる三人が一堂に会し、“食”を通じて「自己を見つめる」「いただく」「尊ぶ」「感謝する」といったメッセージをそれぞれに料理で表現し、思いを語りました。


天台宗福昌寺副住職 飯沼康祐さん

立ち止まり、自分自身を観つめ直す

お寺や修行と聞くと「坐禅」をイメージされる方も多いと思います。天台宗では、坐禅のことを「立ち止まって自身を観つめ直す」という意味で「止観」としています。食事の前のほんのひと時ではありますが、忙しい毎日から立ち止まり、ご自身を観つめ直してみましょう。

(1)正面を向いて、完全に目を閉じ、できるだけ背筋を伸ばして座ります。
(2)手は右の手のひらの上に左の手のひらをのせ、親指同士をくっつけ合わせ卵形の印(定印)をへそ前に構えます。
(3)口を1㎝ほど開いてゆっくりと息を吐き出していきます。身体の中の空気を全て吐き出したら、鼻からゆっくりと息を吸い込んでいきます。この呼吸を繰り返します。
ゆっくりと目を開けて、普段の呼吸に戻して下さい。短い時間(今回は3分程度)ではありましたが、静かな時を観じていただきました。このあえて何もしない時間をもつことで、自身の心のゆとりと日常に良いリズムが生まれると思います。座る場所や時間にこだわらずに、ライフスタイルに取り入れてみてはいかがでしょうか?

「お寺」と「食」と「人」とのつながりを

私は、お寺は温故知新の場所と考えております。古きを知り、新しきを知る、というところが私の精進料理の柱のひとつです。日本にはさまざまな行事食があり、自然の恵みへの祈りや感謝、家族の成長や幸せを願うなど、先人たちが築いてきた素晴らしい食文化があります。今回は、桃の節句をテーマに、味噌と豆腐という伝統的な食材の旨みを活かしながら、苺やバルサミコ酢とで和えたパスタと、昆布出汁とパセリをあわせたお吸い物をご用意いたしました。伝統を守りながら、柔軟に世間のニーズに対応し、愛着をもっていただけるお寺にしていきたい。そんな願いと目標を込めさせていただきました。


浄土真宗東本願寺派緑泉寺住職 青江覚峰さん

食べ物と向き合う心を大切に

お食事の前に、食事作法<食前観>を皆さんで唱えましたが、どのような意味かと申しますと、食べ物ひとつひとつがどうやって自分たちの元にやってきたのか。例えば、精進出汁寄せに使われております菜の花の一種の紅菜苔ですが、我々の目の前にくるまでどれだけの歴史を辿ってきたのだろうと想像してみましょう。育てた人もいれば、流通するために包装して段ボールに詰めた人もいます、トラックで運んだ人、お店で売っている人、料理をする人、食べる人。そしてエネルギーとなって、明日から家庭で恩恵を受けるご家族であったり、子どもたちであったり、職場でも他の方に伝わっていくかもしれない。私たちも、食べ物も、すべて流れの中に置かれているのだということ、その流れを大切に考えていきましょうということだと思います。そして私たちは、美味しいとか不味いとか、いろいろと言いがちですが、食事をありがたくいただきましょう、というメッセージが込められています。宗派ごとに文言などは異なりますが、食べ物と向き合う心を大切にするという点では、どの宗派も共通していると言えると思います。


曹洞宗普門寺副住職 吉村昇洋さん

日常に食事作法を取り入れてみる

私は永平寺で2年間修行をさせていただきました。そこではおよそ200人の食事を3名の修行僧で作りますので、今日のようには手の込んだものを作れませんが、こうして皆様に料理をお出しすることは、修行僧の立場からしますと、皆様にご供養させていただいていると言えます。「供養」と聞くと、一般的に法要を行うというイメージがあるかと思いますが、「供養」という言葉は、「供える」に「養う」と書くように、ご先祖様にお食事をいただいていただくということを意味します。例えば、仏様やご先祖様に供養する場合は、彼らは手をつけることができませんので、お食事の香りをいただいているといわれます。ですからお寺ではお線香を焚いたり、焼香したりします。これはいい香りを向こうに届ける。もうひとつの意味は、その場を清めるという意味合いがあります。それをふまえて永平寺の禅宗の食事は、ご飯を「香飯」(きょうはん)、お汁を「香汁」(きょうじゅ)、最後に器を洗う作法である洗鉢の際に配られるお茶を「香湯」(こうとう)、いわゆる香の物は「香菜」(きょうさい)とお呼びしています。器や箸を両手で扱う、噛む間は手を膝の上に置く、音をたてないように食べる、いただいた器をお茶(香湯)で洗うという禅宗の食事作法は、修行僧でも慣れるまでとても大変です。ときどき、どれかひとつでもいいので、この食事作法を実践してみてください。五感を研ぎ澄ませて、目の前の食事と向き合っていく。食事への感謝が、さまざまな感謝の気づきにつながっていくことと思います。これは禅宗の考え方ですので宗派によってまた少しずつ考え方が違うのですが、料理僧三人衆食事会はこうした宗派ごとの考え方を一度に知ることができるのもまた楽しみのひとつです。


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