福昌寺・飯沼康祐の 旬をいただく精進ごはん
卯月
花まつりのお祝い御膳
飯、精進カレーピラフ
汁、豆乳の味噌スープ
菜、おからコロッケ キャベツと菜の花のホットサラダ添え
甘、干し芋のキャラメル焼き
かけがえのない自分、家族、友人…
いろんな個性に「ありがとう」
４月８日はお釈迦様の誕生をお祝いする花まつりです。多くのお寺や仏教系の幼稚園・学校などでは、ネパールの地・ルンビニーの花園での誕生の様子を表した「花御堂」（はなみどう）を飾り、誕生仏を安置して、甘露の雨を模した甘茶を灌ぐことから「灌仏会」（かんぶつえ）ともいわれています。お釈迦様は誕生してすぐ「天上天下唯我独尊」（てんじょうてんげゆいがどくそん）と言われたと伝えられており、人は誰でもこの世に一人だけのかけがえのない存在であり、等しく尊いことを意味しています。草木が芽吹くこの季節。花まつりは命を観つめ直す良い機会でもあるのです。
今回は、お釈迦様の生誕の地であるネパールにちなんで、カレー風味の精進ピラフを。スパイシーなご飯と相性の良い豆乳仕立てのクリーミーな味噌汁を合わせました。おかずには卯月にちなみ、卯の花とも呼ばれるおからを加えたコロッケを、片栗粉の衣でカラリと揚げました。蒸し汁を活用した春野菜のホットサラダと、干し芋にひと手間加えた和風スイーツを添えた、たいへん満足感のある献立です。
お釈迦様の誕生に思いを馳せながら、慈しみ、心を込めて調理する。そして、美味しくいただく——ちょっとした心がけで、日々の食事も精進料理となり、私たちの心身の支えとなってくれるのです。
この〈電子レンジで蒸し野菜〉がおすすめ！
私は少人数分の料理を作る際に、電子レンジをよく活用しています。ふた付きの耐熱容器に、食べやすく切った旬の野菜を入れて塩をふり、だしを少量加えて加熱すれば、しゃきしゃきとした歯ごたえの蒸し野菜に。この時、野菜の旨みをたっぷり含んだ蒸し汁が容器にたまります。この蒸し汁をフライパンに移して、ごま油と醤油を加えてひと煮立ちさせればソースの完成。だしをとった昆布があれば、刻んでソースに加えてみてください。このアツアツのソースを蒸し野菜にかけて和えます。蒸し汁も昆布も、余すところなく美味しくいただける精進ホットサラダが堪能できます。
