福昌寺・飯沼康祐の 旬をいただく精進ごはん
神無月
食欲の秋の精進カレー膳
飯、精進カレーライス
汁、豆腐のすりながし
菜、もやしの福神漬風
甘、バナナと小松菜の豆乳スムージー
今日も、あの日も、数十年後も
わが家のカレーは至福の味
皆さんは『体育の日』の由来をご存知でしょうか? 1964年に行われた東京五輪は、日本初でありアジア大陸での開催も初めてでした。当時日本は戦後復興期を乗り越えた高度経済成長期の真っただ中で、東京五輪はその急速な復活を象徴する祭典となりました。このことを記念し「国民がスポーツに親しみ、健康な心身を培う日」として『体育の日』が制定されたのです。今でこそ10月の第2月曜日となっていますが、もともとは東京五輪の開会式が行われた10月10日が体育の日でした。
スポーツの秋、パワフルに活躍する方にもおすすめしたいのが精進カレーライスです。精進料理でカレー?!と驚かれるかもしれませんが、私が20歳の頃に籠った比叡山延暦寺での修行中、大雨の後の泥かきといった厳しい肉体労働系の作務をした日の夕飯に食べたカレーライスの味は今でも忘れません。「空腹は最高の贅沢」とは、かの有名な沢庵和尚の言葉ですが、空腹時に食べるカレーライスほど美味しいものはないかもしれません。何を入れても美味しくなるのが有り難いことですし、スパイスは美容健康の面でも注目されています。
今回は植物性たんぱく質が豊富な豆腐を活用したカレー、すりながしに、もやしの福神漬け風と豆乳スムージーを添えてととのえました。冷蔵庫の残り物を余すことなく頂くことができるカレーの懐の深さに敬服すると共に、各家伝統のカレーの味を母から子へ脈々と受け継いでいってほしいと思います。
この〈炒り豆腐〉がおすすめ!
ビーフ、チキン、ポーク、ひき肉などカレーに入れるお肉も各家庭でさまざまだと思います。精進料理ではお肉の代わりに豆腐を工夫して使い、見た目や食感、味わいを引き出します。今回は木綿豆腐をフライパンで炒めて、しっかりと水分を飛ばし、ひき肉に見立てました。スピーディーに、しかもあり合わせの野菜を加えて手軽に作れる精進カレーは、是非ともレパートリーに加えていただきたい一品です。パラパラに炒めた豆腐に、トマトソースとお好みの野菜を加えて丁寧に煮込んでのミートソース風もおすすめです。植物性たんぱく質が豊富に含まれる豆腐を毎日食べて、健康的にパワフルに過ごしたいですね。