株式会社アルファ・ネットコンサルティング&デザイン代表取締役原田 春男さん

原田 春男さん

株式会社アルファ・ネットコンサルティング&デザイン代表取締役。冠婚葬祭施設の総合プロデュース、冠婚葬祭施設の開発・デザイン、商業施設のデザイン等を手掛ける。一級建築士事務所経営。

私の「エンディングノート」

 

Q.人生の最後に食べたいもの(最後の晩餐)
カレーライス

    Q.人生最後に行きたいところ
北アルプス

    Q.天国に持っていきたいもの
酒でしょう(笑)

    Q.天国で会いたい人
昔の山仲間

    Q.生まれ変わったらなりたい職業
今と同じで何かをつくる仕事

 


消費者目線を大切に ニーズに合った葬祭場を追求

日本全国、数々の冠婚葬祭場の設計を手掛けているアルファ・ネットコンサルティング&デザインの原田春男さん。このお仕事の柱となっているのは、もともと携わっていた商業施設の設計で培われた「消費者目線」と、幼い頃の葬儀の思い出だ。 商業施設の空き店舗といったスペースの有効活用を提案するなかでは、マーケティング、地域の特性を把握していくことが重要となる。
施設利用者がどんな施設で何を欲しているのか、どんなサービスを提供したら喜んでくれるのかを考えに考える。そんな原田さんのもとに冠婚葬祭場設計の話が舞い込んだとき、既存の冠婚葬祭場・葬儀業界に面食らったようだ。従来の葬儀業界の収益モデルは自らが設けた仕組みにユーザーをはめこむようなものだった。
「親戚といっても葬儀で初めて顔を合わせる人もいるのに、同じ控え室で長い時間をともに過ごさなければならないのはストレスがたまりますよね。出される食事も冷たいお弁当では……お弁当って食事が作れないところで食べるもんでしょう」加えて祭壇に高額な料金がかかることなど収益構造についても、葬儀業界に消費者目線が十分でなく、やがては収益モデルとして成り立たなくなるのではと原田さんには映った。 「葬儀業界の方にこれから葬儀はもっと小さな規模になります、利用者が欲しているものを提供し、少ない人数で収益をあげられるような仕組みをつくっていきましょう、と言ったら一笑されました」と振り返る。 原田さんにはこんな葬儀の思い出がある。
「こんなこと言ったら不謹慎かもしれんけど、小さい頃、葬式や通夜といったらそれは楽しいもんでした。大勢の親戚が集まって、なかには滅多に会えなかったり初めて会う人もいる。みんなでごちそう腹いっぱい食べて、夜遅くまで話をする。初めて聞く故人のエピソードや自分の知らなかった故人の一面を知ったりするのが本当に楽しくてワクワクしてた」
原田さんのお仕事には、こうした思い出がバックボーンにある。
ある葬儀場を訪れると、狭い、臭い、汚いといった控え室のありさまに愕然とした。
「こんなところで顔を合わせたことがないような人と過ごすのはあんまりじゃないか。ただでさえ心を痛めているというのに、配慮が足りないんじゃないかと思いました。控え室はきれいで大きくしたほうがいい、むしろ式場は小さくたって構わないんです。1時間ぐらい立っていられる人は立ってもらってもいい。厨房を作って温かい料理を出せるようにしましょうとも提案しました」
「3つのT」が原田さんの手掛ける建築物には貫かれている。それは「集う」「つながる」「つむぐ」。大勢の人が集って、人と人とのつながりができたり、さらに強まったりして、物語を紡ぐことが重要なのだ。人が集まって、つながることはもとより、物語を紡ぐ、自分のルーツに関わる故人の話をみんながそれぞれ紡ぎ合うことで、自分や親族に自信が持てるようになる。葬儀とはそういう場であってほしいという。
「葬儀場に庭があることも大事なんです。『おじいちゃんのお葬式のときはものすごく寒くて、雪がいっぱい降ってたな』とか、『穏やかで春の澄んだ空気の暖かい日だったな』って、お葬式の思い出ってそのときの季節や気候とセットになって覚えていません? だから葬儀場の収益に直接的にはかかわらないけど、四季を感じられるような庭を提案するようにもしてるんです。そうすればお葬式が列席者みんなの思い出になる」
そうして作られた施設に下見で訪れた方のなかには、今日ここに泊まりたいと言った方もいたそうである。
これほどまでに配慮を行き渡らせるものなのかと原田さんならではのお話に、感心するばかりだが、原田さんに今後、葬儀はどのようなかたちになっていくのだろうかと尋ねてみると、「宗教色は薄れていくでしょうね。メディアの影響もあって家族葬も増えるでしょう。でも家族でなくてもお別れの場って必要なんです。そうなると公民館のような場所では広すぎるし、かといって住宅では狭すぎる。故人に縁ある人が語り合う場がもっと大事になるんだと思います」現代に生きる日本人は人間関係が希薄だとしばしば指摘される。原田さんも同様の印象を抱いているそうで、人と関わりたくない、挨拶もできない人が多いことを憂いながら、「照れ屋だからなんでしょうけどね、僕なんか怖い顔してるから、毎朝散歩で顔合わせる人に挨拶してもスーッと行かれてしまう」と言って笑う原田さんだが、お仕事に対する思いを語るなかには人と人との温かい交わりがいかに大切かを感じさせてくれる。原田さんの手掛けた施設を利用された方はきっと家族や親類と温かな交わりとともに故人を送ることができたにちがいない。


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