仏華デザイナー・フューネラルフラワー協会理事岩田 弘美さん

岩田 弘美さん

プリザーブドフラワー、アーティフィシャルフラワーを使用した供花のデザインを中心に、斎場ディスプレイや商業ディスプレイ、商業デザイン等を手がける仏華デザイナーとして活躍。フューネラルフラワーの普及セミナー、終活相談や終活セミナー、グリーフケア教室にて講師を務める。

私の「エンディングノート」

Q.人生の最後に食べたいもの(最後の晩餐)
大切な人との晩餐なら何でも(誰と食べるか?が大事)
Q.人生最後に行きたいところ
ホテルニューグランド(横浜)
Q.天国に持っていきたいもの
愛する人のぬくもりと、息子が小学生の時に描いてくれた私の似顔絵
Q.天国で会いたい人
義父
Q.生まれ変わったらなりたい職業
今と同じフラワーデザイナーまたはスタイリスト


義父の「家族愛」と「終活」が私を仏花の道に導き、支えとなっている

義父のエンディングを見届け、仏花を極めることを決意

本誌表紙のフラワーアレンジメントとコーディネートを手がける仏華デザイナーの岩田弘美さん。ドライ&プリザーブドフラワー教室の講師をしていた岩田さんが、偲ぶ心・弔う心を大切に、プリザーブドフラワーやアーティフィシャルフラワーを使用した供花・仏花の新しいかたちを提案するフューネラルフラワー協会を立ち上げ、仏華デザイナーとして歩み出すきっかけとなったのが、義父の「終活」にあったという。
「義父は自身の死を、真摯に受け止めていました。肺がん、大腸がん、肝臓がんを患い、三度目のがん転移が発覚して手術ができないことを知った義父は、死が間近だということを悟ったようです。私たち家族は、義父の余命が数カ月であることを、それぞれの立場で本人に悟られないよう注意を払ってきたつもりでしたが、葬儀の話がしたいと招集をかけられた時には一瞬言葉を失い、私はまっすぐに義父の顔を見ることができませんでした。葬儀社はすでに決めてあること、近いうちに葬儀社を交えて打ち合わせをしたいこと、墓石の注文も済ませてあること、そして会社を息子である主人に任せることを、義父は冷静に告げました」
今でこそ「終活」という言葉が浸透し、生前に人生のエンディングについて考え、行動することは珍しくない時代。しかし、岩田さんが12年前に目の当たりにした義父の人生の終い方は、今の知識を持ってしてもカッコイイと思えるほど潔く、また完璧だったと改めて思えるという。
「私が花の仕事を始めた当時、百貨店への初出店の日も、義父は一人でそっと売り場をのぞきに来てくれました。岩田家に嫁いだ私を、いつも心配し、見守り、支え、実の娘のように大事にしてくれました。義父の生きた証とやさしさに満ちた葬儀を経験し、私は私らしく、花で偲ぶ心・弔う心を表現していこうと、一般のフラワーデザイナーではなく、仏事花、フューネラルフラワーをデザインすることを決めたのです」と、岩田さんが義父に誓いを立てた日のことを振り返る。

家族や人のつながりほど素晴らしいものはない

岩田さんは、仏華デザイナーとして一人で活動をスタート。生花を使用しない仏花に「生の花でない仏花は認めない」「造花なんて、死んでいる花を故人に手向けるのか!」と、様々な非難を浴びながらも、いつか自分の仏花の良さを分かってもらえると信じて、取り組んできた。地道に活動を続ける岩田さんに、一人、また一人と理解者が増え、そこから人を介してまた新たなつながりが生まれ、気がつけば各方面からの注文、プロのフラワーデザイナーへ向けたセミナーや講習会等の依頼が舞い込むようになった。今ではフューネラルフラワー(生花を使用しない)の第一人者として注目を浴び、全国各地を飛び回っている。
「私は仏華デザイナーですが、葬儀社さんからのご依頼で、花を通じてグリーフケアの教室をさせていただくこともあります。きちんとした知識を持つため、京都グリーフケア協会の葬儀従事者コース初級を取得し、また、花祭壇の生前相談を受けるなど終活相談のような質疑応答も多くなっています。少しでも生徒さんや相談者の方のお力になれるよう終活カウンセラー上級の資格を取得して、広くお役に立てるよう努めています。これも義父から学んだ、人と人との絆の素晴らしさ、自分の人生の幕引きの潔さを引き継ぐための、私に与えられた使命だと思っています。義父の導きに感謝、そして支えてくださった大勢の皆様の想いに応えられるよう精進し、私らしく生きたいと思っています」 明るさと優しさに満ちた彼女が心を込めてかたちにする供花は、故人を偲ぶと同時に、手向ける側の人への癒しの想いが込められている。義父から岩田さんへ、岩田さんからたくさんの生徒さんへ、さらにその先へと、この想いは永久に伝わっていくのだ。


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