月イチ連載「杉下由美の終活コラム」vol.1

Vol.1 今の葬儀

  • 左から「映画監督の川北紘一氏葬儀のご様子」「監督作品ゴジラ」「服飾デザイナーでコラムニストの杉下由美氏」

今年は平成最後の年と言われる平成30年。
この30年で、葬儀の様相はがらりと変わりましたね。
私が父を送ったのが、20歳になる直前だったので、36年前になります。まだ、昭和ですね。
50歳で急逝した父の葬儀は仕事関係の方や友人の方もたくさん参列して頂き、出棺のお見送りは盛大だった事を覚えています。まだ、父も若く、仕事も現役でした。その頃の葬式の一般的なパターンだったと思います。
あれから30年以上経った今は、寿命は飛躍的に長くなったことで、ご逝去の頃はお仕事のお付き合いもなくなり、かつての様な社会的な葬儀が必要なくなってきました。ご友人も高齢で参列出来なかったりしますものね。
だから、今、最期を見送るのは、ほとんどの場合が親族だけです。家族で気兼ねなくご葬儀を行うのが「家族葬」です。
そして、その後「送る会・しのぶ会」を、日を改めて追っておこなわれますよね。
こちらは、友人知人が集まり、また、お仕事関係の人も集う会になります。
葬儀と違って火葬などのスケジュールが無いので、準備期間を十分にとって開かれます。


結婚式は挙式と披露宴というようにセパレート化していますが、葬儀も「告別式」と「送る会」とセパレート化しています。
この、セパレート化していることを お話をすると「そういえば、そうだね~~」と、よく言われます。気が付いてはいたけど、考えるきっかけが無ければ知らないですよね。
テレビなどで 有名な方のご逝去が知らされる時も、「告別式は親族のみで執り行われました」と、案内されることがほとんどです。そして改めて「送る会・しのぶ会」が行われ、案内されます。

そういえば、私がエピローグドレスのサロンを始めた6年前あたりから「家族葬」という言葉が広く聞かれるようになってきました。「それまでの葬儀」と「家族だけの葬儀」を区別する名前が必要になってきたのです。
「家族葬ってなんだろう?密葬の事でいいのかな?」という会話が葬儀関係でも言われたりしていました。そして急速に葬儀社のホームページに家族葬プランが現れ、今は「家族葬会館」という新しいタイプの斎場で葬儀が行われています。

「送る会・しのぶ会」の実施は 葬儀と日を改めて行われるので、趣向を凝らしたものも多いです。
私の印象に残っている「送る会」は、映画監督の川北紘一氏を送る会です。
東宝で円谷氏と特撮をして、平成ゴジラの映画を監督し、イロイロと映像のお仕事をされた方です。お酒の席ではとてもチャーミングな紳士でした。今でも大好きな方です。
逝かれてから二か月ほど後の送る会は、砧の東宝の撮影スタジオを会場にしておこなわれました。何回もの入れ替え制でたくさんの人が参加して、監督を思いながら集う会でした。花祭壇はラモスの絵になり、ゴジラの特撮のセットが組まれており、彼が座ったディレクターズチェアが置いてありました。
今でも覚えているのが、監督が作った初期の短編映画を上映してくれたことです。
それは、映画の編集の時にカットされ処分されるはずのフィルムを繋ぎあわせてつくったものだったのです。まだ若い川北さんが、円谷さんやほかの監督の仕事をしている中で編集に立ちあい、切り落とされていくフィルムを集めたものです。
短いフィルムの中の一瞬のストーリーを繋ぎあわせて紡ぎあげた川北監督の小さな小さな映画です。映像を作り上げていく篤い想いに溢れた その素晴らしさが愛おしくて感激して、涙が溢れました。逝かれる直前まで、その想いは変わっていないと思います。できれば、もう一度観たいですね。

「送る会・しのぶ会」は、ご葬儀と違ってどこでも開催出来ます。野球が好きな方なら球場とか、料理が好きならキッチンスタジオなど、どこでも大丈夫です。ホテルやレストランは、特別プランを組んでいますし、ご自宅でまったりと過ごすのも素敵です。
故人を想い、集い、故人の話をたくさんして素敵な思い出にすることが出来ればいいのです。

エピローグドレスを創った時に「人生を讃えるハレの衣装」というテーマで始めましたが、「送る会・しのぶ会」は 故人の人生を讃えるために、小さくても良いので、数年後でもいいので、是非開催してほしいと思っています。
また、それが大きな悲しみを癒すグリーフケアにも繋がっていきます。

 

<杉下由美プロフィール>
ファッションデザイナー歴30有余年を経て、6年前に終の衣装ブランド『エピローグドレス「光の庭」』を立ち上げる。
独特な世界観を活かした葬送の品をもプロデュース。
その取り組みは、各メディアで高く評価され独自の活動に注目が集まる新進気鋭のエピローグドレスデザイナー。
舌鋒鋭く、パーソナリティと発言でも群を抜く個性を発揮している。
 

 


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