月刊「川崎清風霊園」第十七回お彼岸の作法
川崎清風霊園のスタッフの皆様にインタビューした内容を“終活Café編集部”がコラム風にまとめたのがこの「月刊川崎清風霊園」です
今年の春のお彼岸は3月17日(火)に彼岸入り、3月20日(金・祝)中日、3月23日(月) 彼岸明けとなります。
今春は過去に例のないコロナウイルスの感染被害が広がり、その予防として外出や行楽を控えなければならない状況下にあります。
しかし、そんな中でも時が来ればお彼岸はやってきます。
お墓参りに行かれるかどうか分からないかもしれませんが、こんな時こそお彼岸の作法を知識としておさらいしておきたいと思います。
まず、彼岸の由来は、サンスクリット語の「パーラミター」の漢訳「到彼岸」の略だといわれています。「煩悩に満ちた現世である此岸(しがん)を離れて修行を積むことで煩悩を脱して、悟りの境地に達した世界(彼の岸)に到達する」という意味でお墓参りとは直接的なつながりはありません。
“お彼岸にお墓参り”は日本だけの文化で先祖崇拝や豊作に感謝する文化が重なってできた行事だと言われています。
お彼岸と言えば昔はぼたもちやおはぎを食べて行事を楽しみました。
ぼたもちとおはぎの違いを答えられますか?!
両方ともに材料はほぼ同じです。
ぼたもちは春の代表的は花“牡丹”を模して作った和菓子です。もち米の周りにこしあんなどで覆って大ぶりで丸く作ったものがぼたもち。
一方、おはぎは秋の代表的な花“萩”を模して作った和菓子です。同じくもち米の周りに粒あんなどで覆って少し小さく俵型にしたものがおはぎです。
何とも風流。こういった発想は日本ならではなのかもしれません。
ではいつ行けば良いか。
作法としては彼岸中であればいつでも良く、いつが良いかは問いません。
しかし、時間帯にはできればこうありたいといった作法があります。
それは、午前中です。これには、先祖供養でもある大切なお墓参りは後回しにすることは先祖に失礼であるので早く済ませるべきであるという考えや、夜にお墓に行くと悪い霊がついてしまうと考えによるものです。
あまり遅い時間帯だと慌ただしいし、閉門の時間を気にしなくてはならないといった事もありますね。
他にはお供え物にも作法があります。
仏教の教えの中で大切なお供え物とされているのは香・花・灯燭に、故人を供養するための浄水と飲食を加えた五供であるとも伝えられています。
「香」とは、お線香のことを指し、場を清めるという意味と、亡くなった人たちの食べ物でもあるという考えがあります。ちなみに、お線香に火をつける時に使った火は息で吹き消すのではなく、振って消すのがマナーです。
「花」の香りもお線香の香りと同様に亡くなった方たちの食べ物であると考えられています。その他にも、墓前の花には個人が宿る依り代であるという考えもあるようです。
「灯燭」は道を照らし、慈悲を表す灯りとされています。お墓にロウが垂れないように気を付けながら、お参りが終わった後には持ち帰るようにしましょう。
「浄水」といわれるのは水のことです。水は仏様の好物であるとされています。
「五供」の中の飲食に関しては、好きなものをお供えするので構わないのですが、仏教では魚や肉などのなま物もニンニクなどのにおいの強いものは好まれません。一般的には果物やお菓子、お酒やジュースくらいがお供えに良いとされています。
尚、お菓子やフルーツなど、食べ物をお供えすること自体は構いませんが、お墓参りを終えた後にはお花以外のものは持ち帰るのがマナーです。
食べ物はそのまま放置してしまうとやがて腐ってしまったり鳥や獣がやってきて食い散らかすこともあるので配慮したいところです。
最後に持ち物です。
お墓参りには数珠、お線香、ろうそく、お供え物を持っていきましょう。
お供え物については、じかにお供えをするのではなく、半紙などの上に置くため、そのようなお供え物の下に敷く紙を持っていくと良いです。また、たわしやごみ袋、タオル、軍手などを掃除するために持っていくと便利です。
改めて知識をおさらいした後のお墓参りでは様々な事の意味合いを噛み締めながらトリビア知識を披露するのも良いかも知れませんね。
※この原稿は令和2年3月12日に執筆しました
川崎清風霊園
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総面積 :21,132.38㎡
建墓面積 :3,615.08㎡
総区画数 :2,958区画
附属施設 :管理事務所、休憩所、多目的ホール、トイレ(車イス対応)
駐車台数 :90台(平置き)
事業主体 :宗教法人長尾寺
許可番号 :川崎市指令健案第3101号
霊園開門時間 :午前9 時~午後5 時
管理・運営 :株式会社 太平洋福祉
お問い合わせは 0120-148-315
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