お線香は立てるのか寝かせるのか

お盆も過ぎ、夏も折り返し地点ですね。お盆には故郷に帰られて、お仏壇にお参りをしたり、お墓参りをしたりされた方も多いことと思います。私の住む地域にはお盆参りの風習がないのですが、普段の月忌参りに、普段離れておられる家族がお盆だからと一緒にお参りされるお家もありました.

さて、そんな中で、お仏壇の前に座ると、ふと戸惑うことがあります。それは、お線香。お参りがあるからと、お仏壇を調えていただいているのですが、香炉にお線香が立ててある、ということが近年増えてきました。どうやら、お線香は立てて使うものである、というイメージがあるようですね。

確かに、お墓参りをする際にはお線香は立てて使います。あるいはテレビの旅番組などで、大きなお寺などに行くと、境内に大きな香炉があり、お線香を立てて煙を浴びる、というシーンがあったりと、お線香は立てることが一般的、なのかもしれません。宗派ごとのお線香の使い方を調べてみても、ほとんどの宗派が、お線香を立てて使うようです。

ところが、唯一、浄土真宗では、お線香を立てて用いません。香炉の中に寝かせて使うのが、浄土真宗での作法となっています。なぜ、真宗だけがお線香を寝かせて使うのか、私もとても不思議に感じるのですが、ちゃんとした理由があるそうです。

もともと、お線香というのは、供香(ぐこう)という仏さまへのお供えの一つです。これは尊い方に相対する時に、自分の体臭を消し、良い香りを届けることによって、敬いの気持ちを表すために行われるものでした。また、そのお香の良い香りというものは、その場にいる人に分け隔てなく行き届くものであり、仏さまの慈悲の徳を表すものとして尊ばれるものでもあります。

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2015/08/19 日下賢裕

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