福昌寺・飯沼康祐の 旬をいただく精進ごはん

文月
精進鰻の蒲焼き丼御膳

飯、精進鰻の蒲焼き丼
汁、みょうがのお吸い物
菜、茄子素麺 たたき梅添え
菜、蓮根のゴロゴロ炒め



一噛み一噛みに一喜一憂する楽しみ
もどき料理を通じて遊び心とゆとりを

土用の丑の日を前に鰻が恋しくなる方も多いと思います。「土用」とは、立春、立夏、立秋、立冬の前の約18日間のこと。十二支で数えられる暦で、土用の期間にめぐってくる丑の日が「土用の丑の日」です。昔から夏の土用の丑の日には、梅干し、うどん、瓜など「う」のつくものを食べて夏バテを防ぐ風習がありました。江戸時代、暑くて鰻が売れずに困っていた鰻屋の店頭に、平賀源内が〝土用の丑の日は鰻を食べる日〟と貼り出し、土用の鰻が定着したともいわれています。
肉や魚を使用しない精進料理では、鰻の蒲焼きに見立てた精進鰻という「もどき料理」があります。雁(がん)という鳥が語源にあるがんもどき、蒟蒻を刺身に、椎茸をアワビに見立てるなど、僧侶の肉食願望に思われがちなもどき料理ですが、きっとそうではなく、遊び心の賜物であり、そんな遊び心が「心のゆとり」を生むのだと思います。お釈迦様の教え「中道」(ちゅうどう)とは、どちらにも偏らないこと。忙しすぎるとカリカリして、家族や周囲への心遣いに欠けてしまいがちです。仕事と家庭、遊びと勉学、忙しい中でも心のゆとりを持つことで、良い意味で力が抜け、生活にメリハリが出てきます。
今回は精進鰻に合わせて、肝吸いの味わいにも似たみょうがのお吸い物と、茄子を麺に見立てた冷製椀、精進鰻の柔らかな食感と相対する噛み応えのある蓮根炒めでととのえてみました。もどき料理はどんな食材を使っているかを当てるのも楽しみのひとつ。家族で作る楽しみ、食べる楽しみに加え、会話する楽しみももたらしてくれる嬉しい料理なのです。

この〈大和イモとゴボウの皮付きおろし〉がおすすめ!

大和イモ ゴボウの皮付きおろし

精進鰻はその名の通り、鰻の蒲焼きに見立てた精進料理です。ポイントは大和イモとゴボウを皮ごとすりおろすこと。木綿豆腐と片栗粉をつなぎに混ぜたタネを、海苔にのせ、鰻の身に似せて包丁で筋をつけたらカラリと揚げます。揚げ立てに蒲焼きのタレをからめ、熱々の御飯にのせて山椒や七味をパラリ。手間暇はかかりますが、見た目といい、食感といい、味、香りすべてに納得のいく一品です。口に含み、鰻なのかそうではないのかを噛みしめていると、時折「あれっ?鰻!?」と感じる瞬間があります。大和イモとゴボウの妙技は、もはや本物の鰻を超えるほど。一噛み一噛みに笑みがこぼれます。

想いのこもった弔電サービス 終活Cafeニューズ
天国へのラブレター
  • 初恋のあの人へK.K 男性 実は私は、あなたのことが好きでした。 初めて出会った小...続きを見る
  • お母さんへ〈N.K 女性〉お母さん、誰かと楽しくおしゃべりしていますか? 話好きだっ...続きを見る
  • 父へ<長野県・sunohara>「見守ってくれているなら このロウソクの火を揺らして」と ...続きを見る
  • パパへ<神奈川県・春美>パパ…毎日お疲れ様です。 パパが浄土に旅立ってから12年が...続きを見る
  • 勝ちゃんへ<京都府・はな>「勝ちゃん」と呼んでも、もう返事してくれへんのやなぁ。 も...続きを見る
もっと見る


| お問い合わせ | 個人情報保護方針 |
Copyright©Shukatu Cafe. All Rights Resered.